デザインが身近にあることを教えてくれる書籍です。
何気なく見ているチラシやポスター、資料、広告、あらゆるものがデザインされ、私たちの周りを彩っています。
では、その成り立ちはどうなっているのか、一つ一つ紐解いてくれる解説本になっているのが本書です。
特に初心者には読みやすく、製作から最終印刷に至るまでの過程を全て網羅できますので、デザイン業界に初めて足を踏み入れた方にはとても役に立ちます。
それでは、中身を見ていきましょう。
『誰も教えてくれないデザインの基本』とは
『誰も教えてくれないデザインの基本』細山田デザイン事務所[著]
発売日:2018年1月19日
ページ数:144
『誰も教えてくれないデザインの基本』書評
フォントに焦点を当てた解説本
デザインというと、レイアウトや配色、写真(イラスト)などを初心者の時には特に気になるところですが、デザインを初めて驚くのは、文字(フォント)の多さです。
出版関係者などであれば、当たり前ですが、新聞や本の活字も書体の違ったフォントが使われています。
なんとなく知っている方もいるとは思いますが、本格手にデザインを手掛ける方はもちろん、ちょっとした案内文や企画書などを作成する場合も、フォントの特性を知っているだけで、デザインの幅が広がります。
「たかがフォント」と言うなかれ、例えば、女性が書いた丸文字や男性が書いたかくかくした文字など、印象がまるっきり違うのは理解できると思います。
基本となるのは、「明朝体」「ゴシック体」という2つの分類法ですが、知っている方も多いかもしれません。
では、それをどういった場面で使えば有効なのかまでは、はっきりと分かるという方は少ないです。
是非本書に説明されたフォントの特徴、使い方をマスターして、ご自身のデザインに活かしてください。
印刷物・資料のグラフィックデザイン
本書で取り上げられているのは、印刷物・資料のグラフィックデザインとなります。
なので、これからチラシ、パンフレット、書籍、雑誌などを手掛けるという方には、オススメです。
私もチラシ、パンフレット制作を行ってきましたので、まさにドンピシャの内容にとても助けられました。
特に写真やイラストの扱い方は実際の現場感覚で説明されているためイメージしやすい説明となっています。
用紙や印刷方法を解説、初心者も知るべき情報
用紙のことや印刷は関係ないと思っていませんか?デザイナーなのだから、デザインだけしていれば問題ないでしょと思うかもしれませんが、大間違いです。
クライアントが印刷を行う場合もあると思いますが、何か尋ねらた時や自分で入稿するときなど、最終体的にどのような印刷物として仕上がるのか知っておく必要があります。
ページ数の数え方や印刷会社とのやり取り、特殊加工など印刷の豆知識として面白いですし、せめて用紙の種類は知っておきたいところです。
勉強しておくだけで業界通になった気分ですよ。
まとめ
フォントに関心、関係してこなかった方には、とてもわかりやすく解説された内容となっています。
特にグラフィックデザイナーを目指す場合は、まず初めに頭に入れておきたい印刷までの幅広い知識を学べますので、おススメの書籍です。
技術的な面を教える本はいくらでもありますが、現場で必要な写真やイラスト、印刷など欠かせない項目はなかなか見聞きする機会がないので参考になります。
誰にも聞けないような時には本書を手掛かりに探してみてはいかがでしょうか?