『レイアウト・デザインの教科書』書評

デザイン書籍

デザインのレイアウトに特化した初級者から中級者まで幅広く対応した解説本。

デザインを制作する上で、まず初めに取り組むのが全体の構成であるレイアウト。

「レイアウトくらいとりあえず並べればいいんでしょ」と思っていると最後まで修正に修正を重ねて時間ばかりが立ってしまう状態になりますよ。

私もレイアウトは制作していて最後まで手こずらせる厄介な制作過程の一つです。

やっぱり基礎無くして出来上がらないので、基礎をシッカリ身につけて制作に取り組んでいきましょう。

当たり前ですが、知っているのと知らないのではまるっきり違います。では、本書の特徴を見ていきましょう

『レイアウト・デザインの教科書』とは

『レイアウト・デザインの教科書』【米倉明男/生田信一/青柳千郷(著)】

発売日2019年2月27日 

ページ数184

『レイアウト・デザインの教科書』の書評

デザインを要素分解

デザインを要素分解されていることが最大の特徴。

要素分解というのは、まずデザインを制作していく上で欠かせない素材を用意した後に、素材がメインの素材なのかサブなのか、どういった役割なのかをブロックとしてまとめていく作業が必要となります。

ブロックをどのように配置していくのかがレイアウトになりますが、本書では、実際のデザインを要素毎に分解してブロック化して解説しています。

いわゆる設計図のようなものです。

ただ単に文字や画像があるだけでは、ブロックへの落とし込みがイメージしにくいので、初心者にとっては特にわかりやすい構成となっています。

このブロック化は、今後デザインを行う上ですぐにイメージできるかどうかで、デザインのイメージはもちろん、制作時間にも影響してくるので何度も見返して習得したいです制作工程の一つですね。

同じ素材をいくつかのパターンでレイアウト  

素材の特性によって、どうしてもレイアウトがワンパターン化してしまいがちです。

特に初心者の頃は自分だけの感覚でレイアウトしてしまい、そこから抜け出すのに苦労します。

同じ素材でもこんなにレイアウトの仕方があるのかと感動すら覚えます。それぞれのデザインの印象が全く異なるため、自分の武器として備えたいパターン群です。

実際にクライアントから仕事のオファーが来た時に、1種類の提案より、2,3種類と提案すると間違いなく喜ばれますし、継続依頼に繋がります。

仕事としてデザインを活かしていきたいならば、2,3種類の提案を出来るように初心者のころから頭に置いておいた方が良いと思います。

使われているデザインが新しい

2019年l発行の書籍なので、使われている参考デザインがとにかくかっこいい。

是非真似をしたくなるデザインばかりですよ。デザインのレイアウトを教えている書籍なので当たり前と言えば当たり前ですが、だからこそ刺激を受けてほしいのです。

デザインの4原則はもちろん、余白、分割、黄金比など詳しく説明されていて、私が一番ためになったのは、グリッドシステムを数ページ分割いて説明されているところ。

グリッドはWeb制作では特に基本中の基本で抑えておくべき考え方ですが、元々は印刷レイアウトに用いられたところからスタートしていて雑誌や書籍の統一感を保つために生み出された考え方のようです。

ベースにグリッドを頭に描けていると統制のとれたレイアウトになることは間違いありません。

まとめ

本書で取り扱うレイアウトは、デザインの根幹であり、初心者の方がこれから学んでいく最初の一歩として勉強しておくべき分野だと思います。

最新のデザインとレイアウトを頭の中でいくつか組み立てられるようになる1冊ですので是非手に取ってもらえたら光栄です。