今回ご紹介するデザイン初心者向け書籍は「やってはいけないデザイン」です。
この本の最大の特徴は、タイトルにもある通り、「やってはいけないデザイン」も掲載されていて、修正後のデザインと比較出来るようになっている点にあります。
初心者にとってどこをどういう風に修正したらプロのようなデザインになるのかさっぱりわかりません。
制作物を作ったはいいが、「何か、どこかおかしい」と思ったことはあるはずです。
本書は、そんな直接的な悩みをストレートに解決できるような構成となっていますので、とても読みやすいです。
それでは、他にどんな特徴があるのか見ていきましょう。
『やってはいけないデザイン』とは
『やってはいけないデザイン』発売日2016年12月16日 【平本久美子(著)】
ページ数232
『やってはいけないデザイン』の書評
修正前と修正後の比較された構成がわかりやすい
最大の特徴は、修正前と修正後の比較を視覚的に見せているところ。
初心者からすると、修正前のどこを直せば見やすくなるのかわからないけれども、丁寧に簡潔に修正箇所を説明されているのでとても分かりやすいです。
また、部分的な修正となるので物足りなさも感じるかもしれないが、著者も「はじめに」で伝えている通り、『ノンデザイナー向けのデザイン入門書』となるので、デザインの基礎をしっかり身につけるための内容となっているため十分です。
また、プロのデザイナーも結局修正を行う際は全体を見ながら、一つ一つ修正するしかないので部分的な修正で全く問題ないですね。
デザインの要素ごとにわかりやすく説明
デザインは色々な要素によって構成されています。
本書でも要素ごとに章立てで説明を加えているので、デザインをしていく中で迷ったときに読み返すのにとても便利です。
章立ての内容は、「第1章原稿編、第2章レイアウト編 第3章文字・フォント編 第4章カラー編 第5章写真・イラスト編とわかれているので迷った部分を見直してご自分のデザインと比べてみるとスムーズに答えを導き出させるようになっています。
私も未だに見るのは第2章レイアウト編ですね。
素材をどこに配置していくかで大きくデザインは変わってくるので制作の初期段階で一番悩むところです。
なぜか著者に親近感がわく
「なぜか」というのは、著者に悪いのですが読んでいると近くに著者がいるような感覚になります。
プロデザイナーとして講師もされ、執筆活動にも活躍されている方なので、一目置かれる存在と思いますが、本書を読んでいるととても親近感がわき、内容も分かりやすいこともあり、自分にもデザインできるかもと自信を持たせてくれます。
おそらく、著者自身が独学でデザインの勉強をされ、苦労されているところも垣間見れるので努力の先に花開く時が来るのではと思わせてくれるのではないかと思います。
最後のポイントは気持ち的なところに言及しましたが、けっこう気持ちの部分は大きくて、デザインをしていく中でなかなか上達していかないと心が折れてしまいそうなことがあります。
なので、コツコツ作業を積み重ねていけば著者の様に花開く時がくると思えると継続の支えになると思いますよ。
私も何回挫折したことか…。
まとめ
最後に本書の特徴をまとめると、まず比較対象をしてどこを修正すれば見やすくなるのかが簡単に分かること。
次にデザインの要素ごとに章を分けてあるので必要箇所に答えを求めることが容易な事もう一つは著者との距離が縮まり親近感がわき、自分のデザイン制作に自信を持てること。
初心者の時には特にイメージを植え付けることは非常に大事なので、良いものと悪いものとがパッと見てイメージしやすくしておくことが上達の早道です。
是非一度手に取って著者との距離を縮めてデザインのノウハウを早めに手に入れましょう。